インスリン治療
インスリンとは
インスリンとは、膵臓にあるβ細胞から分泌されるホルモンで、生命維持、糖の代謝に欠かせないものです。
私たちが食事をとると、糖質から吸収されたブドウ糖が血液中に増えます(血糖値が上がる)。
すると、膵臓から”インスリン”が分泌され、ブドウ糖を肝臓や筋肉に取り込むよう働き、そこで貯蔵したり、エネルギー源として利用したりします。
これにより血液中のブドウ糖は調整され、血糖値は一定に保たれます。
インスリンの作用不足があると、血液中のブドウ糖を調整するのが難しくなり、血糖値が高いという状態になってしまいます。
インスリン分泌が低下している方は、食事・運動・内服薬だけでは血糖の管理が難しいことが多いです。
注射により、外からインスリンを補うことで血糖が安定しやすくなります。
インスリン分泌パターン
基礎分泌と追加分泌について
インスリンの分泌には、1日中持続して分泌される「基礎分泌」と、食事による血糖上昇により分泌される「追加分泌」があります。
インスリン療法は、この分泌パターンを再現するように、作用の異なる注射を組み合わせて行います。
インスリン製剤の使い方
インスリン製剤には作用時間の違いなどにより複数の種類があります。
基本の使い方としては、持効型インスリンと超速効型インスリンの2種類の製剤を組み合わせて、生理的なインスリン分泌パターンを再現するように投与します。
超速効型インスリン製剤の種類
超速効型インスリン製剤には、販売元の会社や、デバイスの種類、調整可能な用量により、いくつか種類があります。
従来の超速効型インスリンは、ノボラピッド、ヒューマログ、アピドラと呼ばれる製剤が販売されています。
主に、食事の15分前に注射し、食後の血糖上昇を抑える作用をもちます。
従来の製剤に比べ、より早く効果が出る(通称)超超速効型インスリンと呼ばれる製剤も発売されています。
フィアスプ、ルムジェブという製剤が当てはまりますが、”注射後の効きが早く、切れるのも早い”というのが特徴です。
添付文書上は、食直前2分〜食後20分以内の注射が可能とされています。
また、インスリンの量を細かく調整する場合には、0.5単位刻みで注射ができる製剤(ルムジェブHD、ヒューマログHD)もあります。
どの製剤を選択し、どのタイミングで注射するかは、食事内容や血糖の動きをみながら個別に対応しています。
持効型インスリン製剤の種類
持効型インスリン製剤は、「基礎分泌」を補うことを目的に作られた製剤で、主に1日1回注射し、空腹時の血糖を調整します。
いくつか種類がありますが、最も歴史のあるランタスは、24時間作用し、注射後に効果が安定するまでの時間が短いことが特徴です。
インスリンの量を日々調整するような場合に使いやすく、最も価格が安いのも嬉しい点です。
一方、トレシーバは42時間以上とさらに長く作用し、効果がよりフラットで安定しやすいことが特徴です。
ランタスより価格が高いものの、注射する時間が多少ずれてもカバーしやすいのと、低血糖になりにくいのが嬉しい点です。
